この度は平野燿華オンライン個展にご参加くださりありがとうございます。
2005年から書き溜めた作品の中から、今お見せしたい作品たちを集めました。
平野燿華 プロフィール
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2020年新作
【海】
●作品サイズ 370×360mm
2020年制作 ¥71,500(税込)
【穏心激動】
2005年、「大人になっても子供みたいに楽しいことやろうよ!」と言った内容のイベントに書作品を提供しようとしていた時のこと。
大人になってもっていうけど、大人の方が知恵もお金もあって子供の時よりももっともっと楽しいことをできるんじゃないのかしらん?
と物思いにふけっていたら、
「穏心激動(おんしんげきどう)」という文字が目の上に点灯。
穏心は、文字通りの穏やかな心と知恵とか高度な思考と言ったイメージで。
大人になって、知ってることが増えた分もっともっと工夫次第で可能性を大きくできるよね、そこに行動力がついてきたら、子供の時より何倍も楽しいことできるじゃん、っていう意味だよ、と解説までついて四字熟語がおりてきました。
それをしたためて。
でも残念ながら東日本大震災の津波で流してしまい、手元には写真だけしか残っていなかったのを、今回、リバイバル(?)ということで書き直してみました。
当時と筆致は少し違ってきているけど、あの文字が点灯した時の感覚は自分の体の中に残っていたのでそれをそのまま感じながら。
●作品サイズ 700×535mm
2020年制作 ¥93,500(税込)
【風吹碧落浮雲尽(かぜへきらくをふいてふうんつく)】
青空にあった浮雲が風とともにきれいに払い尽くされること。
このことから、心の迷いなどが払しょくされた晴れやかな状態を指す。
思い通りに行かなくてイライラしたり、わかってもらえなくて泣きたくなったり。時々心が曇っているなあと感じることがあります。
そんな時は自分の体に風の対流を感じるようにして、いやあな感覚を流し去ってもらうようにしています。
そんな時に見つけたこの言葉。
いつでもうまく自分を整えられるわけじゃないけれど、整えようとすることが大事だもんね、と思いながら書きました。
紙に向かうまで構図は思いつかなかったのだけど、背景を描いて筆を持ったら、この書体でこの配置で、というのが紙の上に見えたのでそのまま、一発書きです。
●作品サイズ 770×535mm
2020年制作 ¥93,500(税込)
~揺らぎシリーズ 4作品 2020~
【葛藤と揺らぎの先】
大丈夫って思ったり、全然だめだって思ったり、自分のとらえ方があっちゃこっちゃすることもあるけど、最終的には、ご機嫌でいられれば大抵のことは何とかなる。
円の左半分は落ち込んじゃう時、右半分は自分らしくいられる時。
葛藤の中では上下に揺らぐ線が、これでいいんだと思えた時に穏やかになる、そんな様子を表しました。
●作品サイズ 275×245mm
2020年制作 ¥19,800 税込
【できごと】
これは、あるできごとを目をつむって追った時のこと。
無数の線と点と面がそこかしこに存在していて、繋がっては飛び飛んでは繋がり、淀みと流れを繰り返していた。
表に出るもの、心の浅いところにあるもの、深いところで息をひそめるもの。言葉や表情、感情や錘?
映像となって私におりてきたそれらをそのまま紙に表現しました。
●作品サイズ 275×245mm
2020年制作 ¥19,800 税込
【慟哭】
もがいてぶちあたってみないふりをしてたちあがってとほうにくれてそれでもすすみたくて。
自分の軟弱な部分と確固たる意志のせめぎあいの中で、慟哭の震えに身を置く。
叫べば叫ぶ分、自らの弱さを知りそれを受け入れる器を広げていく。
言葉で言い表せないこの感覚を墨に乗せて。
●作品サイズ 275×245mm
2020年制作 ¥19,800 税込
【踊りたい人々】
きらきらと輝く太陽のもと、軽やかに踊りたい。
今踊ってもいいのか?
手足を広げてもいいのか?
誰かの妨げにならないか?
そんな風に縮こまる自分もいることを確認しながら、少しずつ動きを広げて、軽やかに踊りたい。
そんな気持ちを、刷毛に色が濃く濃度も高い墨と薄く水分をたっぷり含んだ墨両方をつけて、紙の上を踊らせるように描きました。
●作品サイズ 275×245mm
2020年制作 ¥19,800 税込
~2017年 個展 渦 より~
【遷移】
いつもの思考のもとから飛び出せば、見える世界すなわち「在る」世界は一瞬にして全く違うものとして自分の目の前に現れる。
その世界はもうすでに存在していて自分の心ひとつで遷移できるのだ。
「移」の最終画を、筆をくるくるとまわしながらはらうことで、宇宙空間のようにきらきらした様子を表しました。
一度水ジミがついてしまい破棄を考えましたが、この最終画のきらきらの再現が出来ず、修復をして世に出す作品です。
新たなことにチャレンジし続ける方に。
●額装付き ●作品サイズ 465×660mm
2017年制作 ¥77,000 税込
【知足】
足るを知る。
小さいころは「欲しがるな、欲を持つな」の意味だと思っていました。どうしてダメなの?欲しいものもあるししたいこともある。よくわからない言葉、そう思っていました。
でも大人になるにしたがって、本当に自分に必要ものや大切なことは自分が既に持っていることを頭ではなく心で知ること、それが「足るを知る」であると少しずつ分かってきます。
自分に不足しているものを探すのではなく自分が持っているものに光を当てる。時々忘れてしまうので身に刻みたい言葉です。
何枚か書いているうちに楽しくなって筆をくるくる回しながら線をつなげてみたら龍のような姿になりました。足は草書体を用いています。
●額装付き ●作品サイズ 250×380mm
2017年制作 ¥33,000 税込
【シナプス】
頭に浮かぶあんなこと、こんなこと。渦巻く無数の小さなエネルギー。
その1つ1つを制御するのではなく、踊らせる。それらが互いに繋がり合うその瞬間に、エネルギーたちは自由な表現を運んで来る。エゴを捨てよ。全て手放せ。コントロールではなく解放によって何かを得るのだ。
そんなメッセージを受け取って無心で筆を動かした作品。
出来上がってみたら人の頭に見えて「シナプス」と名付けました。
●額装付き ●作品サイズ 465×660mm
2017年制作 ¥77,000 税込
【生きる】
曲がりくねって、後戻りしているような気持ちになることもある道。渦中にあるときは前や後ろを見失いそうな不安を抱えたとしてもその軌跡は確実に刻まれている。
その思いを、刷毛をくるくるとまわしたり、時々停滞させてにじみをつくりながら描きました。右下、線が途切れているのはあえて。自分の人生に影響を及ぼすことの中には見えないところで起きていることもある、という意識で紙をはみ出しました。
●額装付き ●作品サイズ 465×660mm
2017年制作 ¥77,000 税込
●額装付き ●作品サイズ 465×660mm
2017年制作 ¥77,000 税込
【無題】
自分の中にあるものを、そのままに見つめる。
ぐちゃぐちゃだってなんだって。
そこからきっと何かが生まれる。
●額装付き ●作品サイズ 250×380mm
2017年制作 ¥33,000 税込
~2015年 個展 時より~
【不惑 バイオリズム】
「バイオリズム・不惑」
– 子曰、吾十有五而志乎學、三十而立、四十而不惑、
五十而知天命、六十而耳順、七十而從心所欲、不踰矩
–
現代語訳:15のときに学問を始めて、塾を開いたのが30のとき。40でなんとか食っていけるようになった。50で「ああ、おれにもやるべきことがあった」と感じて、60を越したら馬頭されてもムカつかなくなった。70になった今、すっげー開放感を感じてるよ。」
(孔子・論語 現代語訳:牧野武文 「論語なう」より)
40歳目前に、もう惑わず、と言いたくて書いた作品。過ぎてもまだ惑っていますが(苦笑)。
薄墨で上下にうにょうにょとした線を書いたのは、人生のアップダウンを表し、またその線も複数にしたのは仕事、人間関係、健康とかいろいろなバイオリズムがあるから。薄墨の色の変化にその体験の濃さのようなものも見ていただけたらと思います。
そしてそのうえから「これからもっと輝くように」と銀墨を混ぜた墨で漢詩を書きました。敢えて縦書きを横に向けて添えています。
時々沈み込むこともあるけれど、今目の前にあることにコツコツと取り組んでいく、そんな姿勢を一枚に集約しました。
●額装付き ●作品サイズ 250×380mm
2015年制作 ¥33,000 税込
【時】
四季に合わせて自然と共に、まあるい時間を過ごす人たちと、後戻りのない変化や進化を追い求め、まっすぐに時間を過ごす人たちがいます。
田舎と都会のような対比。
東日本大震災で実家が被災したのち、何度となく宮城と東京を行き来していたのですが、新幹線が上野駅を過ぎ大手町のビルが見えてくるころ、いつもタイムトリップしたような感覚になりました。
寒い冬が終わり、花々が咲き、暑さを凌ごうと川に入り、実りの頃の食卓は色鮮やかで。
そんな宮城での時間を過ごして東京に戻ってくると、50年、いや100年くらいの時空を超えたのでは、と思うほど、街の光景はきらびやかに感じられました。
人の思考のベースも全く違っていて、どちらが是でも否でもないけれど、ただただ、違いがあるということを肌で感じた時に、書きたくなった作品。
固形の墨を摺り、そのまま紙に落としたときにいい感じの引っかかりがあったので、そのまま筆を使わず固形の墨で書き上げました。
日がまあるい時間、寺がまっすぐな時間を表しています。
●額装付き ●作品サイズ 250×380mm
2015年制作 ¥33,000 税込
~2012年 個展 ムコトバの世界より~
【叫び】
東日本大震災後、書きたい言葉が見つからず、このままでは一生書けないかもしれないと思い、ただただ墨を摺り紙に向かい筆を動かしてできた作品。
書きたい言葉が見つからなかったのは、あの時、何を書いても本当の気持ちではない気がして、どんな言葉でも誰かを傷つけてしまいそうだと感じていたから。
それでも自分の中には確実に何かがあることはわかっていて、それを感じながらただただ故郷の海を思って筆をぐるぐるとまわし、出来上がった作品には自分を見つめる目が出来上がっていました。
自分の中にある言葉にできない気持ちを見つめ続けてすくい上げて叫べ!
そんなメッセージのある作品です。
●額装付き ●作品サイズ 250×380mm
2012年制作 ¥33,000 税込
【儚く強き…. 】
東日本大震災直後、本音を語ること語らないこと、他人の前では笑い続けること、絶対に立ち直ると心に決めること、在りし日のことを思うこと、見たくないものは見ないと決めること、話すことで気持ちを保つこと、そういったいろんな人たちのいろんな面を見ながら、人は強い、とか人は弱いとか一元的には語れないんだなあということを実感していました。
本音を語れることは強さかもしれないし、語らずに自分ひとりの力で何とかしようとすることも強さかもしれない。でもその逆かもしれない。
人の心とは、、、、
そんなことを思いながら、筆の端を持ち、深呼吸をして紙に落として書いた線。
言葉にできないから作品にした。だから何をどう説明していいかわからないけれど、この作品は自分のすべてをそのままに見ようと思うときにいつも思い出す作品です。
●額装付き ●作品サイズ 250×380mm
2012年制作 ¥33,000 税込
~ 2007年 個展 ぐるぐるより ~
【流転・無常】
同じは二度となくて、一つの状態にとどまらず、移り変わって行く。
そんな意味の二つの言葉を、一枚ずつに白黒を反転させて書きました。
流転は、ろうがはいった液体で文字を書き、茶墨を紙の後ろからのせて文字を浮き上がらせる手法を使っています。筆のかすれや墨のはねかたで時間の流れを表現しています。
無常は篆書体を使って、様々な出来事がそこかしこで起きていることをおたまじゃくしのイメージで。
二枚を合わせて見るとできあがる真ん中の円は、それを中心にくるくる回る宇宙をイメージしています。
変わることは怖くないから。
変化を受け入れてその時の精一杯を生きていこうよ。
あなたの想いがあれば、あなたが行きたいところへたどり着く。
そんな思いを込めています。
東日本大震災前の大判の作品で唯一手元に残っている作品です。
●二枚組 ●額装付き
●作品サイズ 465×660mm × 2枚
2007年制作 ¥220,000 税込
~小冊子 うやのヒトリゴトより 2005~
【抱】
子宮の中に抱かれて、命の歓びを感じている、そんな安心感を表現しました。
時々、外の世界の騒音に影響されると、自分の中に引き籠りたくなることもあるのですが、殻を閉じるのではなく自分をふんわりと包んであげるような気持ちで過ごしていると、少しずつ元気が戻ってきます。
薄めの青墨を摺り、筆の表面上部に濃い墨と下部に薄い墨をつけて、一本の線の中に濃淡を入れることで、円というよりも球という印象を持ってもらえるようにしました。
優しい気持ちになれる一枚です。
●額装付き ●作品サイズ 250×380mm
2005年制作 ¥33,000 税込
【遭】
チャンスはピンチの顔してやってくる。
怖いからと目を背けていては、その後ろ側にあるチャンスを逃してしまう。
いろんなことに遭遇した時に、どんな自分でいられるか。
そんなことを思いながら、ピンチの怖さを出したくて、「遭」の篆書体を使い人の顔のように見えるように線を配置しました。ちょっとおひげっぽいのも加えて。
自分を鼓舞したり、背水の陣で臨みたい場面で見ていただきたい書です。
●額装付き ●作品サイズ 250×380mm
2005年制作 ¥33,000 税込
~その他~
●オンラインショップ mojikakumei モジ・カク・メイ
額装例などが載っています。